近年AIを活用したツールが発達し、どんどん身近なものになっていっているAIですが、AIによって自動で生成された「AIイラスト」も、そのうちのひとつです。
しかし、このAIイラスト、AIが自動生成したものにも関わらず、自分で描いたかのように公開する人がいたり、従来通り手を使って描かれたものと同じように商業利用されて嫌悪感を覚える人がいたり、様々な問題が顕在化しています。
AIを使って絵を描く(出力する)人のことを「AI絵師」と呼ぶことがありますが、このAI絵師も度々炎上騒動が起きており、何がダメなのかこちらの記事でまとめています。
→AI絵師は何がダメ?炎上した理由ややめて欲しいの声も!
AIイラストってバレるものなの?言わなきゃ分からない?という疑問が出てくると思いますが、
AIイラストは何となく見れば分かる、という人もいるようですが、正直全然分からない、という人もいるようです。
AIイラストの見分けがつかないときは、見分け方やテスト方法はあるのか?
また、そもそもAIイラストは著作権などの問題はどうなっているのか?
このあたりを調査しました!
この記事で分かるのは以下の内容です。
・AIイラストはバレる?
・AIイラストの見分け方・テスト方法
・AIイラストの著作権はどうなっているの?
AIイラストはバレる?
AIイラストは、現時点ではほぼバレる、と言っていいでしょう。
理由は主に3つあります。
①AIイラストか判別するサイトがいくつかあり、95%以上の精度の高いものもある
有名なAI判別サイト「illuminarty AIサイト」や、個人で作成を試みる人もいるようです。
AIが生成した画像か判別するAI作りました
95%くらい正しいですhttps://t.co/tQjeS8Cjqv pic.twitter.com/rRr17Tcxlw— Azunyan1111 (@Azunyan1111_) October 20, 2022
②目視でAIイラストの不自然なポイントを見抜く
人間のイラストレーターが描けば造作もないことでも、AIには苦手な描写があり、そこをひたすら見ていく、という方法です。
AIイラストはどうしても指の不自然さを見てしまうため評価できない
— 冷た貝 (@Thumetaguy) April 29, 2023
ただし、この不自然なポイントを見ていく方法は、AIが生成したものをそのまま判定する場合には有効ですが、細部を手作業で加筆修正したAIイラストに関しては通用しないこともあります。
最近のAIイラスト界隈では、AIイラストの加筆修正は常識となってきています。
AIイラストを手作業で加筆修正して、AI生成であることを隠されたら、イラストを描かない人は分からない場合が多いのではないでしょうか。
このような作成者のモラルに大きく寄る点も、AIイラストやAI絵師に関する問題が絶えない理由のひとつなのでしょう。
③イラストを描いている人は「AIっぽさ」が分かる
AIイラストの細部を加筆修正したものでも、手書きで描いた絵と比べると全体的なAIっぽさは見抜かれてしまうようです。
ただ、これはAIをどの程度の範囲で利用したかによっても変わってきそうです。
「AIをこっそり使っていることがバレないくらい加筆するとなると、どのくらい加筆すればよいのか?」という疑問に対して、このような意見が寄せられています。
本当に絶対バレない使い方はラフの案出しor細部の詰めくらいじゃない?
または写真からブラシ作るようにAIの一部を素材化して質感ブラシ作るとかかな
仮に人物でAIをそのままつかうことがあれば絵柄もだけど線が溶けたりデザイン曖昧になってるところ全部描き直すならもう1から描いた方が絶対早いし
AIイラスト掲示板
現在流行っている、人物絵の全体像をそのままAIイラストとして出力するやり方だと、違和感のある個所の修正をする方が手書きより大変になってくる、ということですよね。
そこまで大変な修正をするなら初めから手で描くと思うので、AIイラストということを隠して公開しても、誰かには気付かれるということですね。
また、この「どのくらい加筆すればバレないか」という疑問を持つ時点で、AIを補助ツールとして求めているイラストレーターとは発想自体が違う、という意見もありました。
個人的な感想なんだが、AI界隈でも「どの程度加筆すれば」みたいな話題よく見るけどその発想がもう「AI主体のレタッチャー」になってる気がするんだよな
イラストレーターが求めてるのは「補助ツール」だろうからそこら辺がAI界隈との溝なんだろうなと
AIイラスト掲示板
AIイラストの見分け方・テスト方法
絵を描かない人でも、AIイラストかどうか判別できる方法は、上記の判別サイトでテストする方法や、目視でAIが苦手な描写をチェックしていく方法があります。
AIが苦手とする描写はいくつかあります。
また、AIイラストはこれらの特徴のうちの複数が当てはまることがほとんどなので、一か所だけではなく、全体を見て判断するようにしましょう。
目・瞳
・瞳の中の塗りが均一ではない、ぐちゃぐちゃしている、左右非対称、ハイライトが無い
・前髪と眉毛・まつ毛との境目があいまいに溶けている、前髪が不自然な溶け方、前髪を境に眉毛がズレる
耳
・周りの描きこみと不釣り合いなデフォルメされた耳
・起伏のないのっぺりとした耳
・髪と溶け合ってしまっている
髪
・髪の毛と肩回りが溶け合って融合してしまっている
・光の陰影と髪のラインが混同されて描かれている
手前の物体の奥の線
・奥の線が手前の物体を挟んで繋がっていない
文字
・文字はAIが苦手なため、細かい文字はほぼ読めない
細かいパーツ
・キーボードなど細かくて連続したパーツは綺麗に描けない
以前は不自然だったが徐々に改善しているパーツ
・手指
・絵柄の多様性
・線画の抽出
AI絵師が「AIだとバレたら即終了」だのなんだの言ってて鼻で笑ってしまった……指がおかしいので一瞬でバレるよ……AI絵師指描けなくて直せないもん……
— ちゅるお⛩ 4/1イツキ誕生祭🏀 (@churuo_a) March 18, 2023
AI絵師が手描きと偽る為に下書きを公開するも明らかにAI生成物からツールで線画を抽出してるのがバレバレで草。
すぐバレるのになんで手描きと偽ろうとするんだろうね…😩#AI絵師#AIart #AIイラスト pic.twitter.com/HaBztp1v9q— リハビリ用 (@r18rensyu) April 16, 2023
AIイラストはどんどん学習を重ね、今後上記のような粗も無くなってくると予想されます。
現時点では、細かい箇所の確認や、全体的な構図等の違和感などからある程度AIイラストか判別がつきますが、それもどんどん難しくなっていくのではないでしょうか。
AIイラストの著作権はどうなっている?
AIイラストには著作権がありません。
つまり、誰かがAIを使って生成したAIイラストは、誰でも利用することができます。
しかし、AIイラストであることを隠して自分の著作物であることを主張した場合、それを完全に判別する方法が現時点でないため、その嘘の主張が通ってしまいます。
現在この問題については検討が進められていますが、AIをどの程度利用したのか?特定のイラストレーターの絵柄を学習させた場合元のイラストレーターの権利はどうなるのか?など、様々な問題が顕在化してくるので、ルールや規制を設けても、どんどん新しい問題が出てきてしまう可能性がありますね。
勝手に他人の絵柄をAIに学習させるのはいい?
ちなみに、既存のイラストレーターの絵柄を本人に無断でAIに学習させることは、違法ではありません。
ただ、そもそも日本の著作権法では、権利者の許諾なくAIに著作物を読み込ませて学習させることができる。AIなど新技術の活用を促し産業競争力を強化する観点から、2018年の法改正で整備された。
朝日新聞デジタル
この事実について、イラストレーターたちは「著作権侵害」を訴え、法規制を求めています。
木目さんらは「AI開発で著作物を許諾なく学習できる規定は創作者の搾取につながる」と指摘。オリジナル画像の著作権者の明示を義務付けることなども求めた。
日本経済新聞
AIイラストの権利は保護されないの?
AIで生成されたイラストは著作権では保護されていませんが、別の権利で保護することはできます。
<商標権による保護>
AIの創作物を自社の商品やサービスに使用したい場合は、商標登録を行うことで保護することが出来ます。例えばAIが作成したロゴを商標登録することで、他社は指定した商品やサービスの範囲で、同一または類似のロゴを使用できなくなります。
Tokkyo.Ai
<不正競争防止法による保護>
AIの創作物を、自社の商品や営業を表示するものとして使用する場合は、不正競争防止法によって保護される場合があると考えられます。
Tokkyo.Ai
しかし、現在の法律では曖昧な内容が多く、現状をカバーしきれていないのが実情なので、これらの権利についても判断が難しくなっているようです。
まとめ
AIイラストってバレるの?という疑問から、AIイラストの見分け方から著作権についてまで調べました。
現在のAIイラストだと、完全に周りの目を欺けるほどのAIイラストや加筆修正はかなり難しいのでは、という印象でした。
しかし、AIも日々進化していきます。
現在AIイラストと手書きのイラストで異なると言われている箇所について、AIが改善していくのは時間の問題でしょう。
今の不十分な法整備に加えて、現状の問題点がどんどん明るみになっているこの状況を、法律による規制で完全に解決するのは難しいのかもしれません。
しかし、イラストレーターの人たちが著作権侵害を訴えているように、現状を少しずつ整えていくことは大事なことだと思います。
今の法規制を訴えている動きがどうなっていくのかをまずは見守りたいと思います。
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